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Porkerユーザーの声
導入効果、プロジェクト関連
豚肉流通に関する取り組み
Porkerユーザーの声
Porkerユーザーの皆様に、導入後の変化や養豚への想いをお聞きしました。
2023年よりPorkerを導入いただいている埼玉県の株式会社 ポーク 農場長 酒井勝昌様、交配担当 金子晋平様にお話しをお聞きしました。
左より 交配担当:金子晋平様 農場長:酒井勝昌様
導入のきっかけは獣医師からの提案
Porkerは、私たちがお世話になっている獣医師に薦められました。
「データ分析で農場課題を見える化し、改善できるようになる」という獣医師からのプッシュと、タブレットやスマホを使って現場でデータ入力できることが導入の決め手でした。
手書き→PC入力の二度手間がなくなり、作業効率が大幅UP!
目に見える効果を実感
記録するデータが多い分娩部門では、特に時短の効果を感じています。
Porker導入前はウィークリー管理で、手書き台帳に記載した1週間分のデータを週に1回、2時間程度かけてPCに入力するというサイクルでした。
現在は、スリーセブン管理に変更し、現場で都度登録。登録するデータが1週間分から3週間分に増えているにもかかわらず、Porkerへの入力は30分程度で済んでいます。入力時間が短いうえ、現場を離れなくていいので、豚にかける時間が増えました。
Porkerとの連携でさらに現場を楽にするため、最近は母豚カードも使いはじめました。
離乳登録は、前日にPorker上の離乳頭数と現場の実頭数を確認し、離乳日にPCで一括登録するのでアッという間に入力が終了。種豚でも現場入力に取り組もうとしており、農場全体でPorkerをフル活用していきたいと考えています。
2023年12月にリニューアルした母豚カード
・母豚の個体情報やPorkerに記録したデータはもちろん、 交配登録後に母豚カードを作成すると交配日起点の分娩予定日や再発日が記載できます。
・QRコードから個体基本情報ページに移動することができ、詳細な成績確認や個体のイベントの登録・編集・閲覧ができます。
※詳細はお問合せください。
養豚DXに期待すること
分析機能に興味をもっている従業員が「このデータを集めれば、課題が解決できるかもしれない」という仮説を立て業務にあたるなど、データ活用が身近なものになりました。また、Porkerで他部署の状況を把握しながら、共通の情報で話し合えるようになったことも良い変化です。
導入前から「Porkerに変えると入力作業が楽になるはず!」と期待していました。管理システムの変更は慣れるまで負担がかかるものですが、Porkerの操作は簡単で、すぐに慣れることができました。農場のデータがPorkerで一元管理されていれば、異動の際の引継ぎの負担も大きく減ります。日々の業務から、農場全体に関わることまで、様々な業務効率改善につながると感じています。
省力化や時短だけでなく、将来的には温湿度やCO₂、餌…センサーやカメラを使って豚舎の全てを見える化して、一元管理できたら面白いですよね。データを活用すればいろいろなことができると想像が膨らみます。
アフターサポートがいい!
どんな疑問にもすぐに答えてくれる営業担当者がいることは、とても心強いです。
農場ごとに課題も欲しい情報も異なるので、全てをPorkerで解決するのは難しいとは思いますが、こちらの要望を聞き、一緒に解決策を考えてくれます。まだまだ使いこなしていない機能も多いので、使い方のレクチャーやデータの活用方法も含めたサポートを期待しています。
Eco-Porkの担当者も一緒に、チーズ!
所在地 | 埼玉県羽生市 |
農場名 | |
導入時期 | 2023年 |
畜産用飼料の生産から食品の販売までを手掛ける林兼産業株式会社のグループ会社として、宮崎県・都城市で霧島黒豚を生産するキリシマドリームファーム株式会社。美味しさと、安全・安心へのこだわり、畜産業界の課題を解決するためのDXへの取り組みについて、管理部 企画課 課長 SQFプラクティショナー 浦川 啓介様と係長 坂元 啓祐様にお話をうかがいました。
左:係長 坂元啓祐様 右:課長 SQFプラクティショナー 浦川啓介様
高品質の霧島黒豚を生産するためのこだわり
(浦川様)私たちは、約20年前から宮崎大学との共同研究により、繁殖成績や産肉成績のよい種豚の選抜を続け、改良を重ねてきたイギリス系バークシャー種の霧島黒豚を生産しています。
飼料は、林兼産業株式会社が設計した霧島黒豚専用のものを細かく配合変更したり、成長段階に沿って切り替えたりと丁寧に調整して与えます。定期的に食味検査も行い、客観的なデータで品質を管理しています。年間約50,000頭を出荷していますが、その 品質を高いレベルで保つためには、社員一人一人が意識を高く持ち、ルールに沿った飼養管理を行うことが不可欠と考えています。2023年に「SQF(米国の食品マーケティング協会が管理する認証規格)」を取得し、国際的な基準に基づいた品質管理とHACCPを組み込んだ安全管理マネジメントを実施しています。
霧島黒豚は、霧島連峰の豊かな自然の中でのびのびと育ちます。他の品種と比べ筋繊維がキメ細かいので、肉の保水力としまりが良く、独特の食感と旨味があります。特に、白肉とよばれる脂肪の「甘味」「旨味」「食感」は群を抜いていると自負しています。ハヤシカネオンラインショップで生産へのこだわりを紹介しながら販売を行うほか、都城市のふるさと納税返礼品としても取り扱っていただくなど、霧島黒豚の存在感や知名度、その価値を更に高めていけるよう努力しています。また、これらの取り組みを通じて日本全国に「都城市の畜産業」をアピールしています。
DXの活用で畜産の課題解決に取り組む
(浦川様)キリシマドリームファームは、社長自らが、誰よりも早く最先端の技術に着目し、その情報を社内で共有、検討します。特に、養豚業界の人手不足解消のために業務負担の軽減や労働環境の改善が必須と考えDXを進めてきました。
(坂元様)Porker導入のきっかけは、社長が2021年10月に開催された展示会(農業WEEK)で興味を持ったことです。紙への記録を削減するためにクラウド型の管理ソフトを探していたところ、Eco-Porkと出会い、Porkerを知りました。2022年4月に本格的な検討に着手。他社製品も試していた中で、Porkerが最も私たちのイメージに近いとの確信を得て、1ヵ月足らずで導入を決定。各種設定やデータ移行、トレーニングを経て6月には本格運用を開始しました。
(浦川様)社長は柔軟で、現場をよりよくすることに関する決断が早いし、経営陣へ新たな取り組みの提案・相談を行いやすい環境が整っていると思います。
Porkerで現場と管理者の業務効率UP、成績改善のための実績比較が容易に
(坂元様)Porker導入以前は、現場担当者が記入した手書きの管理簿から、必要なデータを管理ソフトにパソコンで入力する、という作業をしていました。農場成績の比較や分析も手作業で行うため、手間とタイムラグが発生するのが課題でしたが、Porkerによってかなり改善できています。
成績分析は慣れたフォーマットで見たいという現場の意見があり、現在はPorkerと社内システムを併用したデータ管理を行っています。各担当者がPorkerに入力したデータが社内システムに反映され、翌日には成績分析のフォーマットに出力できるので過去データとの比較が容易になり、課題の早期発見につながっています。
月次集計はPorkerのデータがそのまま使えるので、集計作業が不要になりました。これまで紙で用意していた証憑類も日々Porkerを確認することで整合性がとれるため作成不要に。Porker導入により証憑書類の削減と確認ルートの簡素化が実現し、管理者の負担も軽減しました。
導入当初、現場では入力の負担が増えるという意見もありましたが、使っていくうち操作には慣れましたし、Porkerに登録された母豚番号を見ながら作業を行うことで母豚管理の精度が向上したほか、種豚管理の間違いもなくなりました。今は、Porkerに蓄積したデータの活用で成績向上が見込める、というイメージを持って運用できています。
若い世代に養豚を選んでもらうために
(浦川様)畜産業界の一番の課題である人材不足の解決に取り組むのが、社長以下、私たちマネジメント職の仕事だと思っています。新しい人材を獲得するため、都城市が運営する求人サイトに会社情報を掲載したり、学校(大学、農業大学校、農業高校など)の就職説明会に参加したり、養豚を選んでもらうための情報発信も積極的に行っています。
私自身、多忙な業務に悩んだことがあり、これからのキリシマドリームファームを担っていく世代に、そういう経験はさせたくありません。業務負担の軽減や時間の有効活用につながる仕組みを作るために、私もDXについて勉強し、スキルアップをしなければ!と思っています。弊社企画課メンバーのように、システムに精通している人材と協力しながら、「楽しく働けて、稼げて、個人が評価される職場」を作っていきたいです。
所在地 | 宮崎県都城市 |
農場名 | キリシマドリームファーム株式会社 https://hayashikane.shop/page/about_kbp |
導入時期 | 2022年 |
2022年よりPorkerを導入いただいているJAPAN X株式会社 岩手蓬莱山牧場 マネージャー 千葉芳照様にお話をうかがいました。
マネージャー 千葉芳照様
データを基準に現場で判断、自信をもって仕事ができる
Porkerのデータを判断基準にすることで、経験の浅い担当者でも的確な判断ができるようになりました。例えば、廃用候補確認機能*で廃用基準を決めておけば、経験者や上司の指示を待つ必要なく、自分で判断しスピード感をもって次の作業に移ることができます。迷わず判断して作業を行い報告する、その積み重ねが、自信につながっていると感じています。
結果を出す方法は人それぞれでいいので、「責任は私がとるから、好きなようにやってください」と現場に任せています。そうすると、自然と責任感が生まれ、各ステージの連携が密になって現場がうまく回るようになるんですよね。(マネージャーの)私がいなくても、回っている現場、それが理想です。
*廃用候補確認機能 画面
生涯成績を基に自農場条件設定以下の低生産性の母豚をイエローカード、レッドカードで表示
社内の口コミでPorkerが浸透、一人一人が納得感をもって運用
現場を楽にして、働く人を守るDX
養豚の仕事は、餌、体調、環境の管理の連続で、ゴールが見えにくいものです。ともすると、仕事ではなく作業になってしまうので、私たちは、人の口に入り、体の一部となる“食べ物”を作っていることを意識しています。例えば、作業を効率化するために薬を使えば、人間は楽になるかもしれないけれど、肉は薬臭くなって、消費者に選んでもらえません。投薬は極力少なくして、なるべく自然な状態で育てた、食べた人の活力になるような美味しい肉の生産を目指しています。
私のマネージャーとしてのゴールは、現場が結果を出して評価が上がり、給料に反映されていくサイクルを作ること。
例えばDXでムダな作業や残業が減れば、現場が楽になって“効率化”という結果が出ます。だから、現場の業務を改善できる機能を備えたPorkerを選びました。今まで口頭で行っていた報告や連絡をデータに置き換えることで、報連相がスムーズになり、省力化が実現したことで、導入後は離職率が低下しました。
私たちとEco-Porkは、同じ船に乗った仲間。現場が良くなることを一緒に考えて、働く人を守るような製品を考えていきたいですね。
所在地 | 岩手県一関市 |
農場名 | |
導入時期 | 2022年 |
国産飼料にこだわり、高品質の豚肉を生産する養豚業界のリーディングカンパニー、 有限会社ブライトピック千葉。
2022年10月よりPorker、Porker Connectを導入いただいているGP農場 大平峻 場長にお話しを伺いました。
GP農場 場長 大平峻様
場長同士の話し合いでPorker導入を決定
Porker導入以前は、現場で台帳に記入した情報を事務所でパソコンに入力していましたが入力作業に時間がかかって・・・。複数の繁殖農場の場長や責任者で業務効率改善について話し合い、Porkerの導入を決定しました。従業員のスマホで入力・データ確認ができる、離乳や分娩関連の情報が一括入力できるなどPorkerを使うことで日々の作業負担が軽くなったと実感しています。日本語を勉強中の外国人実習生も画面を見て直感的に操作できるので、ソフトウエアの使い方を教える手間が省略できるのもいいですね。
GP農場には、農場内の希望する箇所にネットワークを敷設するPorker Connectも導入しました。敷地がかなり広く、豚舎と豚舎も離れているのですが、通信状況は快適で問題なく利用できています。LINE通話ですぐに連絡が取れるようになったのは助かりますし、現場でデータ入力できるのは本当に楽。例えば、デジタル野帳「母豚の場所設定」。母豚を移動した場所をその場で入力できるので、ミスもなくなり、事務所まで移動して入力作業をする手間も時間も短縮できました。
他農場との情報交換が円滑に
当社は繁殖農場が複数農場ありますが、各農場の成績をPorkerで確認しています。データを共有することで改善につながるポジティブな話し合いができるようになりました。数字が良くなれば何をしたのか聞き、悪くなれば何があったのか聞き。私が見ているということは、他農場からも見られているということ。「変な数字は出せないぞ・・・!」というよい緊張感につながっています。
事務所でPorkerをチェック
Porkerの満足度、今後の期待を込めて★4つ!
導入後は、担当営業マンのサポートを受けながら運用方法を確認し、疑問点、改善希望なども話し合っています。改善要望を伝えたら、すぐに改訂版を持ってきてくれました。Porkerは、これからもっと使いやすくなると思うので・・・現在の満足度は星4つ。伸びしろに期待を込めた星4つです。
仕事の楽しさ=成果を出すこと
私は新卒で入社し今年で勤続11年。はじめは肥育(出荷)、次に繁殖を担当しました。入社当初は手書きの台帳ですべてを管理して、マンパワーで業務を回していましたが、設備の自動化や作業の効率化が進み、働く環境はずいぶん変わったと感じます。現場担当のころは自分のアイディアを実行し良い豚を育てること、成績を上げることにやりがいを感じていましたが、場長となった現在は、人の育成も重要な仕事になりました。ノウハウの継承はもちろん、従業員一人一人の個性を把握して強みを伸ばしていくことにも注力しています。GP農場では、Porkerの分析機能で出る成績を一覧にして結果の分析、対策の検討を行っているのですが、成績が数値で現れるので従業員の責任感が強くなったと感じます。HACCPの話し合いにもPorkerの情報を活用しています。
国産飼料にこだわった当社の豚肉は本当に美味しくて。良い豚を育てて美味しい豚肉を提供するためには、働く人を集める必要があり、そのための労働環境の整備も進めています。養豚業界の3Kのイメージを改めるためIoT化を進めて毎日の業務を効率化したり、業務計画を立てて有給休暇を取りやすくしたり。PorkerやPorker Connectの導入はその一環です。 仕事は仕事、休みは休み。休みを楽しめないと、いい仕事はできません! IoTの活用で豚に向き合う時間を確保し、現状をどう改善するか考え、業務に落とし込んでいく。成果を上げることで仕事の楽しさを感じられる、働きたい人が集まる職場にしたいですね。
Eco-Porkの担当者とともに
所在地 | 千葉県銚子市 |
農場名 | 有限会社ブライトピック千葉 GP農場 https://brightpig.co.jp/ |
導入時期 | 2022年 |
2020年よりPorkerを導入いただいている茨城県 山西牧場 倉持信宏 社長にお話しをうかがいました。
DXで単純作業を省力化し、豚に時間をかける
母豚の管理に活用し、改善効果を感じています。投薬管理や分娩回数、離乳までの日数、生存産子数などのデータの蓄積から全体の成績を確認。成績分析や要因分析機能で、知りたかった数値がすぐわかるようになり、母豚の状態が見える化しました。効率的な管理ができるようになり、平均の離乳頭数が約8%増えました。
Porkerをスマホで操作、その場でデータ登録
防疫の状況から豚舎間の移動が容易にできないので、クラウド上で豚舎ごとの情報を確認・共有できるのはとても便利。作業記録の引継ぎなどの単純作業をDXで省力化し、豚にかけられる時間が増えました。
今後のEco-Porkには、これまで見えなかった部分を見える化してくれる製品の開発を期待しています。
所在地 | 茨城県坂東市 |
農場名 | 株式会社 山西牧場 https://yamanishifarm.com/ |
導入時期 | 2020年 |
2021年よりPorkerを導入いただいている藤野屋ファーム 甲斐昇一郎 社長にお話しをうかがいました。
リアルタイムの情報確認で問題発見のスピードがアップ、
適切な対処が可能に
これまで各農場から1カ月ごとにFAXで届いていた報告書が、Porkerによってリアルタイムのデータとして確認できるようになりました。現場に出なくても、農場の状況がいつでも把握できます。
従業員全員がPorkerを使えるので、従業員自らが問題を発見・解決できるようになりました。
例えば、妊娠鑑定の結果は100%現場で入力しています。空胎の母豚情報をリアルタイムで確認をすることができるため、飼料の無
駄食いを減らすことができるようになりました。
問題発見のスピードが上がり、従業員のモチベーションアップにつながっています。
所在地 | 大分県竹田市 |
農場名 | 株式会社藤野屋ファーム https://www.fujinoyaweb.co.jp/ |
導入時期 | 2021年 |
東京と広島に営業所を置き、養豚を中心に、農畜産物の生産、加工、販売及びサービスを広く展開。岩手県一関市内に100haの広大な「館ヶ森アーク牧場」を運営し、ファームマーケットのコンセプトに基づき憩いと食を学ぶ場を提供しているアーク様。Porker開発の協力者でもあるユーザー第1号です。
日々の業務効率を改善し、
経験と勘を補うシステムが欲しかった
今までは生産に関する各種の数値を台帳に手書きして、電卓で集計、それをPCへ入力し、適宜印刷していました。しかし、経営規模の拡大などに伴い、扱うデータ量が増加。時代の流れで、ICT化やペーパーレス化も進んできたので、効率化や業務改善の必要性を感じていました。
日々の業務の中では、顧客の要望や市場の需要を踏まえた生産計画を実行する必要がありますが、子豚の中には授乳期や離乳期などに急に死んでしまったりするものもいます。規模が拡大するほど、そうした事態を踏まえた計画を立てることへのニーズが社内でも強まり、経営支援システムの導入を検討していました。
また、ベテラン社員の経験と勘に頼りすぎている、という課題もありました。当社は、20年前はベテランを中心に40~50名規模でしたが、現在は約160名の社員がいて若手の割合が高まっています。まだ経験がさほど豊かでないスタッフに、経験と勘以外の判断基準を持ってもらう上で、Porkerが役立つと考えました。
各農場の状況をリアルタイムで確認、獣医師との
連携で異常発生にも即座に対応
導入後は、従前のパソコン入力作業が大幅に無くなり、かなりの負荷軽減になってきていると思います。
スマホやタブレットでいつでもデータが確認できるので、どこで何が起こっているかを把握し即座に対応することができます。当社は養豚場が4ヵ所あるのですが、各養豚場の状況がPorker上で一目瞭然です。豚舎の異常を感じた場合はすぐに契約獣医師とデータをウェブ上で確認し合い、必要な診断や対応を指導いただくこともできるので、機動性が高まったと思います。
現場登録の様子
『食はいのち』を支える、安全・安心を守るための機能
それから、これは『食はいのち』を理念に掲げている当社にとって、とても大切なことなのですが、Porkerがトレーサビリティの点で優れたパフォーマンスを発揮してくれることが大きいですね。
当社は農場HACCPとJGAPの認証を取得しており、両認証の要件を生産工程の中に実装する必要があります。例えば、豚肉に異物が混入していた場合は、生産工程を遡って追跡調査を行いますが、Porkerではこれを速やかに行うことができます。また、豚が病気になったときの投薬の履歴もきちんと残すことができます。
こうしたトレーサビリティや投薬履歴などに関する機能は、食の安全・安心の増進を支えるものであり、『食はいのち』という当社の創業時からの信念をシステム的に担保してくれるものですから、無くてはならないと思っています。
Porkerの開発段階から協力、システム改良の可能性を感じる
当社は、公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会が主導した平成31年度アグリビジネス展開支援事業の一環としてPorkerの開発に協力し、そこからユーザーとなりました。
懇意にしていた契約獣医師の紹介でEco-Porkの社長や社員さんにお会いしたところ、日本の養豚業の発展に貢献したいという熱意と意欲が感じられ、同じ目標に向かっていけると思いました。開発段階では、私たちの意見を真摯に受け止め、多くを反映してくれました。より良い製品とするための意見交換を積極的に行い、私たちもそこで多くの事を学びました。
養豚DXは、従来の投資に比べたら決して安価なものではありませんが、単純比較は出来ないと考えています。というのも、Porkerは当社の理念を支えるインフラのツールでもあり、将来に向けた戦略的な先行投資と位置付けていますから、安ければ良いとは言い切れないと考えています。
システムというものは常に改良の余地があり、使っている中でこういう機能があったらいいのにというニーズが出てきます。ユーザーの声を聴き、改良しようというEco-Porkの姿勢は、とてもありがたいですね。
所在地 | 岩手県一関市 |
農場名 | 株式会社 アーク https://www.arkfarm.co.jp/ |
導入時期 | 2018年 |
※本記事は、2019年のインタビューを再構成したものです。
導入効果、プロジェクト関連
豚肉流通に関する取り組み
2020年から養豚経営支援システム「Porker」をご活用いただいている鬼や福ふく様。2023年にスタートした弊社ECサイトでは、「美味しくて、環境に配慮して育てられた安全・安心な豚肉を適正価格でお届けする」をコンセプトに、ブランド豚「鬼の宝ポーク」も販売させて頂き、その美味しさや生産へのこだわりが全国に知られるようになりました。日本有数の豪雪地帯、新潟県津南町で養豚を営む島田福徳様にお話を伺いました。
豚を大事に育てるために
母豚を、のびのびと過ごせる環境で育てたいという思いから、2009年にフリーストールを導入しました。種付け後から分娩前までの母豚をストール(柵)のない豚房に入れて群で育てる、日本では前例のない飼養方法なので全てが試行錯誤です。給餌ステーションなどの設備はオランダから取り寄せたのですが、トラブルが発生すると製造元に問い合わせることもありました。時差のせいで返事がくるまで時間がかかるうえ、話がかみ合わないこともしばしばでした。
どういう母豚を育てればよいのかにも悩みました。豚は序列社会なので、新しい豚を群に入れるタイミングの見極めがとても難しく、1頭ごとに体格やきちんと食べることができているかを見ながら調整していきました。
フリーストールにしてから、妊娠期にしっかり動き回り、たっぷり食べるので体格のよい母豚が育つようになりました。分娩のタイミングで子豚の圧死を防止するために柵がある豚房に移すのですが、日本の規格だと母豚の体がおさまらないのでデンマーク製の大きな柵に変えました。母豚の体が大きくなったことで産子数が増加し、子豚一頭あたりが大きく生まれてくるようになりました。
廃棄となる米菓などを配合した餌をたっぷり食べ、大きく育つ母豚
アニマルウェルフェア(動物福祉)に関心のある養豚関係者が農場見学にいらっしゃることもあります。私見ですが、アニマルウェルフェアの実践に重要なのは飼育の方法や型ではなく、動物を大事に育てることだと思います。私は、自由に動き回って寝て、食べて、元気な子豚を産んでほしい、という想いが途切れないからフリーストールを続けています。
感覚的に把握していたことをPorkerで見える化
豚肉流通に関するEco-Porkとの協業で、新しい世界が広がっていく
2023年、Eco-Porkが生産者から直接豚肉を仕入れて消費者に販売するための流通事業部門を立ち上げるので、鬼の宝ポークを取り扱いたい、という話をいただきました。ベンチャー企業の新事業、ということで少し不安もありましたが・・・次世代に食肉文化をつなぐという理念は、私が行っている養豚と畑作の循環型農業に通じますし、もともと挑戦好きな性格なので「ぜひ!」とお返事しました。
今まで国内産や県内産とひとくくりにされていた肉が、鬼の宝ポークとして流通し、お客様から「美味しい」と評価をいただけるのは、とても励みになります。ソーセージやベーコンなどに加工されるのも、すごくワクワクします。出荷した豚は全部うちの娘だと思っているので(笑)、嫁いだ先で美味しく加工してもらえるのは本当に嬉しいことです。
Eco-Porkが鬼や福ふくの取り組みや味わいをしっかりと伝えながら営業活動をしてくれたおかげで、Eco-PorkのECサイトだけでなく、BBQ場や都内の有名ホテル、企業の社員食堂などでも提供されるようになりました。また、地元の野球チーム、アルビレックス新潟のスタジアムグルメにも採用され、TVでも「鬼の宝ポーク豚串」として紹介されました。新しい世界がどんどん広がっています。
農業を発展させて、地域の幸せに貢献したい
鬼や福ふくは、長年稲作を営んできた農家で、私は20代目です。養豚は私の父の代からはじめました。現在は、養豚から出る堆肥を利用してトウモロコシなどを育てる循環型農業にも取り組んでいます。私は、「とりあえず自分ができるところまではやってみよう、できなければ辞めよう」という気持ちで家業を継ぎました。子供に後を継がせたいという考えは全くなかったので、息子たちが農業をやってみたい、と言い出したことには驚いています。息子たちに引き継ぐまで、辞められなくなってしまいました(笑)。
津南町は、人口9,000人に満たない小さな集落です。その中で、うちだけが良くなっても意味がありません。地域全体が豊かになることを目指しています。例えば、畑の繁忙期は近所の方々に収穫や出荷作業を手伝ってもらい、その収益を還元していくとか、自分たちのネットワークを活かして農業者同士で連携していくとか、様々な相乗効果で津南町の農業を発展させていきたいと考えて行動しています。
所在地 | 新潟県中魚沼郡津南町 |
農場名 | 株式会社鬼や福ふく http://www.oniyafukufuku.com/ |
導入時期 | 2020年 |