Eco-Pork、健康に豚が育つ快適環境を導出する アルゴリズムの実証開始のお知らせ ~ ICT×IoTによる豚の健康および生産効率向上を目指したアナリティクス~

2021.05.12

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株式会社Eco-Pork (所在地:東京都墨田区、代表取締役 神林 隆、以下Eco-Pork)は、当社サービスである養豚経営管理システム「Porker」およびIoTセンサーによる豚舎環境モニタリング「Porker-Sense-」を活用したデータ・アナリティクスの実証を開始いたします。

1. 本取組の概要

本取組では、当社の養豚経営管理システム「Porker」及びIoTセンサーを活用した豚舎環境モニタリング「Porker-Sense-」で取得した、生産データ及び豚舎環境データを統合することで、健康な豚をより多く飼育できる高生産効率の環境状態を導出する第一歩として最適化アルゴリズムを構築いたします。

2. 取組の背景

豚は温度・湿度といった環境の変化に敏感であり、環境ストレスによって、体調悪化に伴う病気の発症や繁殖能力障害等、生産能力の低下が発生しやすい動物です。そのため、豚が健康で快適に育つ環境を整備することは、生産効率を向上するためにも極めて重要です。しかし、農場の立地や季節、豚舎の設備等によって適切な環境条件は変動するため、時期別かつ農場ごとに適切な環境状態を定義することが困難な課題として認識されています。

この度、Eco-Porkは既存サービスにて蓄積したデータを活用し、農場ごとに異なる「健康な豚を飼育するための環境」を導出する汎化アルゴリズムを構築することで、養豚のさらなる収益性・生産効率向上の実現を推進してまいります。

3. 本取組で活用する技術について

 

養豚経営管理システム「Porker」(ポーカー)

「Porker」は、スマートフォンなどのモバイル端末を用いて農場現場で発生するさまざまな記録を現場で入力、繁殖成績・肥育成績の把握から経営分析まで可能なクラウド型システムで、2018年9月から提供開始し、2020年には農林水産省「令和2年度スマート農業実証プロジェクト」にてデータ活用型スマート養豚モデルの実証の要素技術として取り入れられております。(※1)
記録作業の効率化やペーパレス化、そして正確な農場成績の見える化を支援し、年成長7.1%の生産頭数の向上に寄与(※2)しており、販売当初から経済産業省「サービス等生産性向上IT導入支援事業」(※3)にITツールとして毎年登録されています。

IoT豚舎環境モニタリング「Porker-Sense-」(ポーカー-センス-)

国内養豚では初となるLoRaWAN技術(※4)を活用したIoTセンサーと専用ゲートウェイによって、温度、湿度、熱量指数(※5)を計測し、リアルタイムに豚舎の環境状態をモニタリング出来るサービスです。豚の健康に影響のある各種環境パラメータの異常時には、スマートフォンでのプッシュ通知やメール等でアラートが通知されるため、異常の早期検知・対応を支援いたします。また、専用ゲートウェイ1台に対してIoTセンサーは数百~数千デバイスの接続が可能で、送受信どちらも可能です。


本サービスは正式リリースから半年で累計150台のIoTセンサーを全国の養豚生産者の皆様にご利用頂いており、養豚経営管理システム「Porker」と連動していることで、温湿度の記録業務の削減だけでなく、農場の生産成績と飼育環境を比較頂くことで豚の死亡事故を防ぐ等、農場の経営的インパクトや環境面の改善・整備に寄与しております。
​ご利用者様からはIoTセンサーがワイヤレスであるため省スペースが図れることや、高い防塵・防水性能を持ち、電源を繋げずに約5年間継続して使用が可能である点、電池式のため電池交換を行うだけである点、さらにウィンドレスと呼ばれる密閉度の高い豚舎においても十分に活用頂けることから、手軽にスタートできるIoT環境モニタリングサービスとして、大変ご好評を頂いております。

※1 報道発表HP(2020年5月25日) https://www.eco-pork.com/20200525
​※2 Porkerご利用者様の平均成長率より算出
​※3 令和2年度第三次補正 サービス等生産性向上IT導入支援事業HP https://www.it-hojo.jp/
​※4 LoRaWANは、LPWA(省電力長距離通信)の一種で、「無線ネットワーク規格」の名称です。IoT向けの通信規格として仕様が公開されており、世界的に広く利用されています。また、LoRaWANはサブギガ帯と呼ばれる920MHz帯を使用しているため、他の無線ネットワークの干渉を受けづらくノイズに強い特徴があることや、電波の入りづらい密閉環境においても専用ゲートウェイを増設することで安定した通信を行えます。
​※5 豚における不快指数の指標値

4. 実証後の展開予定

本取組みにて構築したアルゴリズムの汎用化および性能検証を全国で行うと共に、センシング範囲を拡大し、アンモニア濃度、給水量、及び給餌量(※6)などのデータを取得し、農場ごとに最適な養豚の飼育方法・環境の確立を支援する仕組みづくりを検討してまいります。

※6 報道発表HP(2021年4月30日)
https://www.eco-pork.com/20210430

 

 

 

 

 

 

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